Disruptor Series: ryuchellさん & 寺原真希子さん

02 June 2023

Disruptor Series: ryuchellさん & 寺原真希子さん

より早く、よりシンプルで、よりスマートなソリューションが求められるイノベーション時代にあっても、さらにその先をいくDisruptorと呼ばれる人々が存在します。彼らは世間並みの変化には満足せずに、独自の視点でさまざまな革命を起こします。Disruptor Seriesでは、各分野におけるDisruptorを招き、さまざまな角度からDisruption®︎を紐解いていきます。

Disruptorsプロフィール

Disruptor Series: ryuchellさん & 寺原真希子さん

タレント・モデル。高校卒業後に上京し、原宿でショップ店員をするかたわら読者モデルとして活躍。テレビのバラエティ番組出演をきっかけに人気を集める。一児の父となった現在は、育児やダイバーシティに関する発信が注目を集めている。

Disruptor Series: ryuchellさん & 寺原真希子さん

公益社団法人Marriage For All Japan 代表理事。東大法学部卒、ニューヨーク大学ロースクール留学を経て弁護士(日本・ニューヨーク)として幅広い分野で活躍。弁護士法人東京表参道法律会計事務所共同代表。「結婚の自由をすべての人に」訴訟東京弁護団共同代表を務めるなど、性的マイノリティの人権問題に注力している。

Disruption Points

Disruptor Series: ryuchellさん & 寺原真希子さん

2021年、「“夫”と“妻”ではなく、人生のパートナー、そしてかけがえのない息子の親として」新しい家族の形を選び過ごすことを発表したryuchellさん。広告等を通じて「パパがいて、ママがいる」理想の家族像が子供のうちから刷り込まれていたり、SNSなどで語られる「女の幸せ、男の幸せ」に自身を寄せてしまっている人が大勢いると感じている。だからこそ、「こういう生き方で幸せになれている」を“表現”できなくても“体現”していきたいと語った。

Disruptor Series: ryuchellさん & 寺原真希子さん

自分自身は性的マイノリティに偏見がないほうだと思っていたが、ある時「偏見がなかったのではなく、無関心であった」ことに気づき、自分のような性的マジョリティの無関心さにより、結果として性的マイノリティに対する差別・偏見が放置され苦しんでいる人々が多いことに気づき、最初は罪悪感を覚えたという寺原さん。現在は同性婚訴訟や夫婦別姓訴訟の弁護団を務める彼女に対して、「性的マジョリティとして生まれていたらそんな考えを持ってアクションに至るようなことはなかなかないと思う中、行動に移していることが素晴らしい」とryuchellさんは驚いていた。

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多くの自治体でパートナーシップ制度が導入されているものの、結婚のような法的効力はない。「結婚を認めない=性的マイノリティはマジョリティと同等の保護を与えなくても良い存在」というメッセージになってしまう。個人の尊厳、命の問題であって、結婚という選択肢を平等に用意する必要がある。

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同性婚の議論において争点になるのが結婚の目的で、現在の国の解釈は自然生殖であるとされているが、さまざまな理由で子を持たない異性カップルも結婚できることと大いに矛盾がある。他国の例を見ても自然生殖だけが結婚の目的ではないという認識のもと、制度化につながっている。世論調査では日本人の7割が同性婚に賛成しており、既に同性婚が認められた他国の制度化時点より高いことも興味深い点として取り上げられた。

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「広告会社に何かメッセージを」と訊かれたryuchellさん。自身の経験から、子供が見ているのが大きい、とした上で「これまでなかったものがあってもいいし、古い考えもあっていい、ということを皆が認め合うことができることが本物の多様性だと思う。(広告会社に)社会を変えてほしいとは思わないけど、変わっていきたい人、変えていきたい人だけでなく変わらない人も受け入れられる、本当の多様性が実現できるメッセージを発信してほしい」とエールを送った。
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