Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

14 November 2023

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

「DISRUPTION®」を会社の哲学・メソッドに掲げるTBWA HAKUHODO。「DISRUPTION」を社外に向けてオープンにして、より社会に意味ある変化をつくりだすため、オープンイノベーションプロジェクト「Open Disruption®」を進めています。
その一環として行っているDisruptionでつながるイベント「Disruption® Lounge」を今年の7月から開催しています。TBWAワールドワイドのカルチャー・インテリジェンスチームBackslash(バックスラッシュ)が選定したトレンド「エッジ(EDGE)」から、そのテーマや領域において意味ある変化をつくりだしているDISRUPTOR(創造的破壊者)をゲストにお招きし、ゲストの知見やビジネスでの兆しを共有しています。第2回目となる今回の「Disruption® Lounge」では、「Connection Quest(つながりを求めて)」にフォーカスした「余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜」をテーマに株式会社おてつたび 代表取締役CEO 永岡氏と、國學院大学 井門教授にご登壇いただきました。

【Disruption Lounge vol.002ゲスト】

株式会社おてつたび 代表取締役CEO 永岡 里菜 氏

株式会社おてつたび 代表取締役CEO 永岡 里菜 氏

1990年生まれ。三重県尾鷲市(おわせし)出身。千葉大学卒業後、PR・プロモーションイベント企画制作会社勤務、農林水産省との和食推進事業の立ち上げを経て、独立。自分の出身地のような一見何もなさそうに見えてしまう地域に人がくる仕組みを創りたいと思い2018年7月株式会社おてつたびを創業。地域の短期的・季節的な人手不足で困る事業者(宿泊施設や農家等)と、「知らない地域へ行きたい!」と思う地域外の若者をマッチングするwebプラットフォーム『おてつたび』を運営。

國學院大学 井門 隆夫 教授

國學院大学 井門 隆夫 教授

1961年生まれ。東京都狛江市(こまえし)出身。上智大学卒業後、旅行会社とシンクタンクで勤務し、国内旅行の活性化や宿泊業の事業再生に携わる。2011年に大学に奉職し、関西国際大学、高崎経済大学を経て現職。新しい時代の観光やまちづくりに関わる学生を育成している。観光とは人口が流出する地域へと人口を還流する人口政策と考え、地域の社会課題を解決し、地域の拠点となっている国内外の宿泊業について研究している。

【モデレーター】

株式会社TBWA HAKUHODO Strategic Planner 戸川 凌

株式会社TBWA HAKUHODO Strategic Planner 戸川 凌

2022年に株式会社博報堂から株式会社TBWA HAKUHODOに出向。
国内メーカーを主に担当しており、マーケティング戦略からコミュニケーション戦略の立案を担当している。

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

実務と学術の両面から観光に携わってきたゲストのお二人から、新たな旅の可能性のヒントを得るために、「従来の旅の形である『余暇』の既成概念」「新たな旅の形『与価』が叶える理想の旅」「『余暇』→『与価』を実現するアイデア」の3つのトーキングテーマに沿ってお話を伺いました。

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

● 永岡氏 事前に知り得た情報を確かめに行く旅

情報過多の現代社会において、インターネットを通じて旅先の様々な情報を予め知ることができるため、得た情報を確かめに行く=余った暇を消費する旅が主流となっている。旅行情報・予約サイトも目的地検索から始まる仕様となっていることから、名の知られていない地域に行く動機作りや魅力の見える化が難しく、気づいてもらうきっかけ作りが課題だと考える。

● 井門氏 自分の願いや悩みを発散で解消する旅

旅には自分の願いや悩みを解決したいという隠れた目的があり、高度経済成長期に発達してきた余暇旅はこれまで悩みの発散という形が主流だった。加えてSNSの時代では周りの人が行っている所に自分も行きたい、拡散される地域ほどに集中してしまう傾向もあるが、これからは自分がどれだけ吸収できるかという視点で旅先を選んでいくと思われる。

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

● 永岡氏 旅行者側も受入先側も刺激を与え合える旅の形

人によって何を価値として感じるかが変わるが、従来の消費型旅行に対して生産型旅行もあって良いと考える。旅行者側からしては生産過程を通じて役に立ったことの喜びや触れ合うことで感じた癒しがある他、地域の方々の生き様に触れて自分自身を見つめ直す機会にもなる。受入先側からしても人手不足解消以外にも様々な背景を持つ人と交流することが新しい刺激となり、自分達も旅行者側と共に非日常を体感している感覚となる。

● 井門氏 今一番求められている人との繋がりを生むための仕掛け

多くある価値の中で一番求められているのは自分の成長だが、その中で重要な要素としてみんなで1つの価値をシェアすることが鍵になる。現代社会においてコミュニケーションを取ることにためらう人も多いが、「与価」旅を通じてそうした弱みを克服して一歩踏み出すことで成長に繋がる。また、時代の変化に伴う日常の悩みも、人との出会いを通じで解消を図りたい傾向があり、旅にもその改善策となる仕掛けを求め始めている。

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

● 永岡氏 課題も敢えて共有することで共感を生み出す

おてつたびの過程において食事の時の交流や共同作業を通じて受入先側の想いや課題、悩みなどを共有することで、愛着が湧いて自分事化の促進になるので、重要なのは体験ではなくて経験だと考える。受入先側が敢えて課題を伝えることで旅行者側も参加しやすく、存在意義が見つかることで溶け込みも共感も生まれやすい。

● 井門氏 短期移住者に応援してもらう環境作りが第一歩

本当の意味での与え合いは地域ストーリーへの共感から生まれる「応援」が大事だが、日本では従来型「おもてなし」が主流となっており、まだ「共感」が旅の目的になっていないのが課題。また、受入先側も旅行者側を観光客という捉え方ではなく短期移住者としてまず応援してもらう環境を築き上げることも重要。

【登壇ゲストからのコメント】

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

株式会社おてつたび 代表取締役CEO 永岡 里菜 氏
今後の旅や旅行のあり方・可能性についてお話しできた貴重な時間でした。お話しする中で地域を消費する旅のあり方だけではなく、地域と共に生産する旅のあり方が増え、旅する人が増えれば増えるほどサスティナブルな世界に繋がっていく未来を、おてつたびを通じて描いていきたいと改めて思いました。ようやくコロナが落ち着きこれからが旅の本場でもあるかと思います。イベントのテーマでもある「DISRUPTION」を共にしていけたらと思います。

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

國學院大学 井門 隆夫 教授
DISRUPTIONという言葉の意味を共有している皆さんとのトークは心地よく、教えられたことの多い時間でした。私の周りには現状を守ろうという人のほうが多く、国民が国に貸した金をその子孫が税金で返すという変な循環に誰も気づきません。なぜ外貨が必要で、過疎地へ旅行者の分散が必要なのか。そこでは余暇を貪るよりも与価を与え合う旅が似合うという事実に気づくにはもう少し時間がかかるのかもしれません。せめて私の子孫の時代は与価の時代になっていますように。

左:TBWA\HAKUHODO Chief Operating Officer 井木 クリス 右:TBWA\HAKUHODO 代表取締役社長兼CEO 今井 明彦

左:TBWA\HAKUHODO Chief Operating Officer 井木 クリス 右:TBWA\HAKUHODO 代表取締役社長兼CEO 今井 明彦

【モデレーターより】

株式会社TBWA HAKUHODO Strategic Planner 戸川 凌
今回「余暇から与価へ」という新たな旅の可能性について、お二人にお話をお伺いしました。

まず、お話の中で見えてきたのは人々が旅に求める価値が変わりつつあることです。
従来の旅(余暇)ではレジャー目的が主流であり、自分の興味のある土地に赴き、リフレッシュ(発散)していたのが、
新しい旅(与価)では自己成長が目的であり、見知らぬ土地に赴き、自分自身を見つめ直す(吸収)ようになってきている、というお話でした。

このレジャー目的から自己成長目的への旅の価値変換「Leisure to Reassure」の動きは今の世の中を表しているように思います。
SNSの発達により人と繋がることが容易にできるようになった今の時代では、
人は、表面上の情報でつながるフォローフォロワーの関係ではなく、共通体験を通して価値観でつながる本質的な関係を求めているように感じます。

では、「Leisure to Reassure」の変化の中で、どのように本質的な関係をつくり出すか。
お二人のお話をお聞きする中で発見したのは「余白をつくる」ことでした。

永岡さんのお話の中で出てきた「人は欠損に恋をする」しかり、
井門先生のお話の中で出てきた「応援消費」しかり、
旅客が旅先側のコミュニティに参加できる余白を生み出すことが一つのポイントだと感じました。

また、余白により旅客と旅先側に関係性が生まれることで、
旅先側も旅客の価値観に触れることになり、非日常の経験を得ているというのも新たな価値体験だと感じました。

この旅客と旅先側が価値を与え合う「与価旅」は、今回発見された「余白のあるブランドづくり」によって今後増えていくように思います。
みなさんも与価旅を通して旅先の方と関係を築き、第二の故郷を作ってみてはいかがでしょうか。

【参加者より】

自分たちで考え生み出せるものをさらに別の考えや角度、アイデアをもたらせることで実現できることがあると感じた。

Disruption Lounge vol.002開催レポート 余暇から与価へ〜新たな旅の可能性〜

■「Disruption Lounge vol.003」開催概要
2023年12月7日(木)に開催される第3回では、「クリエイティブ・ルネッサンス −これからのカルチャーの生まれかた−」をテーマ、カルチャーの変革やこれからのブランディングのあり方についてゲストとともに考えていきます。

<開催日時>
2023年12月7日(木)18:00~19:30

<テーマ>
クリエイティブ・ルネッサンス −これからのカルチャーの生まれかた−
「クリエイティブ・ルネッサンス」とは、生活者ひとりひとりがクリエイティビティを発揮してカルチャーに影響を与えるようになった時代のこと表しています。TBWA HAKUHODOは、カルチャーの作り手が個人へと広がっているなか、ブランドが存在感を放っていくためには、カルチャーの変化を察知することが必要だと考えています。クリエイティブ・ルネッサンスを知ることは、業界を問わずあらゆるブランドの成長に役立つと確信していることから、今回のテーマ設定に至りました。
登壇ゲストとしてお招きするのは、デジタルネイティブを中心に生活者の新しい価値観を追い続けている椎木里佳氏と、昨今幅広い世代で急速に浸透しているTikTokの広告プラットフォームを運営する「TikTok for Business」の松本幸貴氏です。すべての人がクリエイターとして主体的にカルチャーを創造する時代に起こる変化について話し合います。

<登壇ゲスト>
TikTok for Business Team Lead, Creative Solutions, Global Business Solutions, Japan 松本 幸貴 氏
株式会社AMF代表取締役/ SNSトレンドマーケティング協会 代表理事 椎木 里佳 氏

<開催形式>
どなたでもZOOMよりご視聴いただけます(定員なし)

<お申込み>
下記URLよりお申込みください。
https://tbwahakuhodo.zoom.us/webinar/register/WN_XYJK2HPaRpmWRSNiQfSDZg

詳細はhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000137.000034082.htmlよりご確認ください。

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