創造的破壊でコンテンツの可能性を切り拓く:DISCO

26 June 2023

創造的破壊でコンテンツの可能性を切り拓く:DISCO

STORIESでは、TBWA\HAKUHODO内で、独自の専門知識を通じて世界に変化をもたらし続けているチームにスポットライトを当てています。
今回ご紹介するのは、インハウスのコンテンツラボ「DISCO」。廃棄されたホタテの貝殻を再生使用してヘルメットを作った「HOTAMET」、世界初のボイスコマンド式公共トイレ「Hi Toilet」、NHKとの協業による音楽ドキュメンタリー番組「おかえり音楽室」、音楽業界の新たな仕組みを作ったYoutubeチャンネル「THE FIRST TAKE」など、コンテンツの世界でまさにTBWA\HAKUHODOのフィロソフィー「Disruption®︎(創造的破壊)」を体現しているチームです。
昨年Campaign Asia-Pacific誌「Agency of the Year 2022(Japan/Korea)」のProduction Company of the Yearカテゴリーにて銀賞を受賞しました!

本日はDISCOのHead of Production / Executive Producerである深津広孝(ふかつ・ひろたか)に、DISCOのコンテンツ制作への思いや、今後の目標を聞きました。

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Q. 「DISCO」とはどのようなチームですか。

TBWA\HAKUHODOのフィロソフィーである「Disruption」をコンテンツ制作において体現すべく、2019年9月に立ち上げました。映像業界を取り巻く環境が大きく変化している中で、インハウスのプロダクションチームとして、TBWA\HAKUHODO内のクリエイターと密に連携を取りながら、本質的でありながら高いクオリティとスピードを両立させながらコンテンツを制作することを目指しています。企業と社会をつなぐブランデッドコンテンツ、社会課題の解決につながるプロダクト制作をはじめ、広告制作の域にとどまることなく、人が自ら見たくなるようなオリジナルコンテンツの制作にも取り組んでいます。

「DISCO」の名前の由来は、DISruption COntentsの頭文字です。当社のフィロソフィーである「Disruption(創造的破壊)」をコンテンツ制作においても加速させるという思いをこめたものですが、実はかつてオフィスビルの1階がバブル時代を象徴する伝説の「あのディスコ」だったことも少し由来しているんです(笑)

Q.Disruptionを体現するDISCOのメンバーはどういった方々なのでしょうか?

創造的破壊でコンテンツの可能性を切り拓く:DISCO

私は映像制作会社でキャリアをスタートさせて、まずは主にCM制作に携わっていました。その後広告会社を経て、10年ほど前に当社にジョインしました。

他のメンバーも色々なバックグラウンドをもっていて、元々ニューヨークのTBWAで働いていたモーショングラフィックデザイナーがいたり。外部のパートナーも様々な強みをもっていて、例えば音楽はロサンゼルスが本拠地の会社とパートナー契約を結んでいます。日本発世界へ向けたコンテンツを作るには音楽の歌詞、発音、メロディが世界で通用するモノにする必要があるためです。また社会課題を考えるコンテンツも手掛けているため、SDGs Japanの委員もいます。

そうしたDISCOチームには、私が約半年出向したTBWA LA Officeで感じた雰囲気があります。関係はフラット、共創を大切にしていて、社内のスペースに集まって今の仕事についての情報交換をしたり、プライベートで出かけたり、チャットで気になるものの情報交換をしたり…そこからアイディアも生まれていきますね。

創造的破壊でコンテンツの可能性を切り拓く:DISCO

出演アーティストの心を動かして本気を生み出すことが、視聴者の心も動かす

Q.DISCOチームのクリエイティブとして「THE FIRST TAKE」やNHKの音楽ドキュメンタリー「おかえり音楽室」など、“音楽”のイメージが強くあります。企画・制作で大切にしていることを教えてください。

これは「おかえり音楽室」のクリエイティブディレクター兼フィルムディレクター清水恵介からの受け売りですが、“音楽”の部分で共通して大切にしているのは、出演アーティストの心を動かして本気を生み出すことです。

例えば「おかえり音楽室」は、アーティストに一冊のノート「おかえりノート」を渡し、その指示に従うことで恩師に会ったり思い出の場所に行ったりして、自分の過去を呼び起こした心情で、母校の音楽室で歌っていただく企画です。アーティストの方に歌う以外の、精神的な負担をかけてしまうため、なかなか出演を快諾してくださる方が少なかったんです。それでもキャスティング能力の高いDISCOプロデューサーの交渉力により、第1弾はDa-iCEの花村想太さん、第2弾ラッパーのAwichさん、第3弾はマカロニえんぴつ はっとりさんに出演いただくことができました。

出演後、アーティストの方から番組企画について感謝の気持ちを、直接お話いただいたのは初めての経験でした。
映像のクオリティにもこだわりました。ドキュメンタリーとして、アーティストにはカメラを意識することなく自然体でいてもらうため、全編ワンカメで撮影。また音楽室という音楽番組ではイレギュラーな環境の中で、高画質かつ高音質で撮ることも重要でした。こうした環境を整えた結果として、アーティストは今までにない感情を呼び起こした中で、いま歌うべき歌を真剣に考えていただき、そして歌っていただくことができました。

本番組は「THE FIRST TAKE」のクリエイティブディレクターでもある清水恵介が、初めて映像監督を務めたものでもあります。共通しているのが、アーティストの本気が、視聴者の心を動かすということです。非常にやりがいを感じましたね。

創造的破壊でコンテンツの可能性を切り拓く:DISCO

Q.一方で大変さを感じることもありますか?

DISCOとして手掛けるからには、毎回新しいチャレンジをする必要があると思っているんです。でも、自分が気をつけていないと、何のチャレンジもしていない仕事やチャレンジが足りない仕事になってしまうと、反省することがあります。

DISCOが手掛ける仕事には、自主的な企画だけでなく、もちろんクライアントからの発注によるものがあります。発注内容に対してどういうチャレンジで応えることができるか考えて、DISCOとしてこの仕事はやるべきだ、と思えるものを見極めなければいけないと思っています。世の中に対してチャレンジできることを模索し続けていますね。

創造的破壊でコンテンツの可能性を切り拓く:DISCO

Q. この数年のコロナ禍では、プロダクションの制作にも変化をもたらしたと思います。どのような変化がありましたか?

チームメンバーとのコミュニケーションの仕方が変わりました。自分からメンバーの情報を取りに行かないといけなくなり、意識しないとメンバー同士の横のつながりが薄くなってしまうことを感じました。仲間同士のピュアプレッシャーが生まれづらい環境なので、仲間がどんな面白い仕事しているか認識しやすい環境を作ることを心がけています。

撮影自体の環境もコロナ対策を綿密に行う必要がありましたが、そのポジティブな遺産として技術的な進化がコンテンツの中身自体を押し上げていると言えます。例えばですが、リモートでモニターチェックがストレスなく行えることで撮影現場の人数を減らし、ドキュメンタリーコンテンツなど、より出演者の素を引き出すことができるようになっていると感じます。

ただ楽しいだけじゃない、嘘がなく社会課題の解決につながるコンテンツをつくりたい

Q. 様々なコンテンツが溢れていますが、DISCOとして大切にしていること、今後取り組みたいことを教えてください。

※DISCOがトータルプロデュースを手がけた「形にとらわれない卓球台 PARA PINGPONG TABLE」のイベント風景。

※DISCOがトータルプロデュースを手がけた「形にとらわれない卓球台 PARA PINGPONG TABLE」のイベント風景。

今後は更にリアルなものを伝える必要があると思っています。世の中の人たちが、加工を重ねすぎたものに対して「騙された」と受け取るようになり、嘘のないものを見たいと感じている人が多くなっていると思っています。その視聴者の思いを意識して映像制作していきたいです。

今後取り組みたいこととして、これまでも手掛けてきた社会課題を解決するコンテンツの制作も、精力的に行っていきたいです。例えば気候変動についてはチームで興味をもっていて、そうした社会課題をエンターテイメントに近い切り口で伝えるコンテンツを作れないか、専門家の方に意見を聞きながら考えているところです。

DISCOは見てくれた人の心が良い方向に動くようなことをしたいんです。ただ楽しさを追求するコンテンツは世の中にたくさんありますが、DISCOが目指すのはそこではない。コンテンツを通して社会課題を解決したい、DISCOだからこその切り口やアウトプットで視聴者に興味をもってもらいたい、ということを常に考えています。

DISCOのゴールは、社会課題をオリジナルコンテンツでDisrupt(創造的破壊)していくことですね!

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誰もがコンテンツを発信しやすくなりコンテンツが溢れる中で、ただ楽しいコンテンツをつくるのではない。出演者の心を動かし、視聴者の心をも動かすコンテンツ。社会課題を柔らかな切り口と見せ方で伝えるコンテンツ。それらを圧倒的なクオリティで生み出すのがDISCOチームなのだと、改めて感じました。DISCOはその名前の通り、これからも様々な創造的破壊を起こし、多くの人たちの心にうねりを起こしていきます。

今後もTBWA\HAKUHODOのさまざまなチームとメンバーをご紹介していきます。次回をお楽しみに!

広報チーム (koho@tbwahakuhodo.co.jp)