おもてなし防災プロジェクト第3弾“見て学ぶ防災”から“文化体験から学ぶ防災”へ

11 June 2025

TBWA\HAKUHODOと、FUKKO DESIGN、山口照美(大阪市港区長)の「おもてなし防災」プロジェクトチームは、現在開催中の大阪・関西万博で増え続けている訪日外国人の皆様の防災意識向上を目指し、茶道体験中に震災体験ができる起震車「ゼッタイに楽しめない茶道体験」を開発しました。2025年6月21日(土)に大阪市港区にて行われた「BaysideCuria 2025 港区万博」の赤レンガ倉庫横広場にて、この体験ができるイベントを実施しました。

 

「ゼッタイに楽しめない茶道体験」は、“いつ来るかわからない”をテーマにした、移動型の茶道体験です。 訪日外国人に人気の「茶道体験」を、起震車の中で実施。茶室を車内に設け、日本の「心を整える」伝統文化と、「突然起こる地震」という現実を同時に体感できる、新しい試みです。

 

これまで「おもてなし防災」プロジェクトでは、啓発ポスターや非常時に使える防災ポーチなどの開発を行ってきました。 今回の取り組みでは、「見て学ぶ防災」から「文化体験から学ぶ防災」へと進化させ、これまで届けられなかった人々にも、エンタメを通じて防災の大切さを伝えていきたいと考え、企画・開発しました。

 

Webサイト:https://baysidecuria.com/

 

◼︎ ゼッタイに楽しめない茶道体験 概要

起震車の中に本格的な茶室を再現し、日本の伝統文化「茶道」を体験。

茶道の先生が、一服のお茶を点て、訪れた人々に静けさと礼を伝えます。揺れる空間での茶道というユニークな試みにより、心を整える日本文化と突然の地震という“動と静”を同時に体感できる、これまでにない体験を提供しました。

 

◾️ 山口照美 大阪市港区長 コメント

日本は、南海トラフ地震をはじめとする大規模災害のリスクを常に抱えています。2025年の大阪・関西万博には、世界中から多くの外国人観光客が訪れていますが、多くの方にとって『地震』は非日常の出来事です。実際、日本を訪れても、パンフレットやアプリなどによる防災情報が十分に届いていないのが現状です。その背景には、“旅行前に地震について調べる”という習慣がないこと、そして“言語の壁”があると感じています。だからこそ、体験を通じて自然に防災意識を高められる取り組みが必要です。日本文化の中に防災の知恵を織り交ぜ、伝えていくことが重要だと考えています。

 

◼︎おもてなし防災 プロジェクト概要

2025年4月13日から大阪・関西万博が開催され、訪日外国人の来場は約350万人が見込まれています。大阪の街では、観光地などで外国語の表記などが増えてきた一方、防災に対する表記はまだ十分とは言えない状況です。万博が開催され多くの訪日外国人を迎え入れている大阪市では、防災対策を強化していく必要があります。南海トラフ巨大地震発生後、最短で1時間50分で1mを超える津波が大阪市に到達すると想定されており、特に港区を含む湾岸地域で津波による浸水被害が発生する可能性が高いため、事前の周知が必要とされています。そこで、TBWA\HAKUHODO、FUKKO DESIGN、大阪市港区役所はプロジェクトチームを結成し、「おもてなし防災」として公民連携で訪日外国人の皆様の防災意識の向上に取り組んでいます。

 

おもてなし防災は、公民が一緒になり、おもてなしの精神で、訪日外国人の皆様の防災意識を高めていく取り組みです。「外国人観光客の避難誘導ができる市民」を増やす目的に向けて、さまざまなプロが「おもてなし防災」の名の下に取り組みを展開していきます。その前提として、住民一人ひとりがまず自分の命を守る方法を知っていることも重要です。

 

主催:一般社団法人FUKKO DESIGN

制作:株式会社TBWA\HAKUHODO

協力:大阪市港区役所