AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

15 April 2022

AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

昨年12月にCampaign Asia-Pacific誌「Agency of the Year 2021」にて、クリエイティビティとダイバーシティを促進し、社員が常に才能を最大限発揮し成長できるカルチャーを持つエージェンシーとして高く評価され、3年連続となる「Best Culture of the Year」金賞を受賞しました。今回は当アワードでJapan/Korea Agency Head of the Yearを受賞したTBWA\HAKUHODOのCEO今井 明彦さんに、受賞まで繋がったTBWA\HAKUHODOのカルチャーやクリエイティビティの源泉となるものは何なのか、TBWA\HAKUHODOのこれからなどについて、お話を伺いました!

今井明彦 TBWA\HAKUHODO 代表取締役社長兼CEO

1989年に博報堂に入社。営業担当として、9年間トイレタリーなどのメーカーを担当したのち、1998年に自動車会社(日産自動車)の担当に。TBWA\HAKUHODOの前身「博報堂G1」時代には 「TBWA」と「OMD」との協業において、グローバルビジネスを肌で感じる。2006年TBWA\HAKUHODOの創業からのメンバーで、メディアプランニングとデジタルの業務を担当したのち、2016年10月に当社の代表取締役社長兼CEOに就任。
===

Q. 今回Agency Headカテゴリーで受賞、TBWA\HAKUHODOのBest Culture金賞、Creative Agency of the Year銀賞受賞、おめでとうございます!今回の受賞の感想を教えてください。

AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

今回の受賞はTBWA\HAKUHODOメンバー全員のおかげだと思っていて、本当に感謝しています。
コロナ禍で2020年にいち早くテレワークに移行して、その中で出てきた課題に向き合って対応することを目指し、社員の頑張りでリモートワークの環境を維持することができた2021年だったので、今回の受賞の中でも「Best Culture金賞」を受賞できたのは、大変嬉しく感じています。

AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

特に2021年には、オフィスでもリモートでも最適かつ安全に業務ができるように、オフィスに二酸化炭素の量が分かる機械を設置したり、一人で業務ができるブースを設置したりする他、「TH Connected」というアプリを独自開発し、だれが会社にいるのか、いつ出社予定なのかということを可視化することで、業務効率を上げることも心掛けました。リモートワークは効率性を上げる一方で、コミュニケーションの低下、セレンディピティの欠如が課題になるため、業務の中で気づかないメンバーの特徴を共有し合う「ASALON(アサロン、朝+サロンの合成語で、色々なテーマについて興味のある社員がカジュアルに集まって話すサロンのような企画)」という取り組みをオンラインで実施するなど、社内コミュニケーション不足の解消にも力をいれていたので、そういうところが高く評価されたことはとても嬉しいです。

Q. 効率性向上とコミュニケーションの低下、セレンディピティの欠如は、コロナ禍の中リモートワークが中心になっている働き方を導入しているほとんどの会社が共通して感じている課題ですね。

解消すべく、テレワークの気づきを現場のマネージャー陣とワークショップシリーズで共有するなど、様々な取り組みを開始しています。会社で行っている取り組みと、現場各部署で行っている工夫を両輪に進められたことで、今回の「Best Culture金賞」と「Creative Agency of the Year銀賞」の受賞にもつながったと考えています。

博報堂の「生活者発想」「パートナー主義」は”土台”に、TBWAの「Disruption」は”柱”に

Q. TBWA\HAKUHODOをリードしていく方針や哲学についてお伺いしたいと思います。
経営をする上で、一番大事に考えていることは何でしょうか?

AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

TBWA\HAKUHODOは「Disruptio®︎(創造的破壊) company」であるため、TBWA\HAKUHODOを経営していく上で「Disruption」の考え方と「People」「Culture」「Creativity」というValue(価値)を大事にしています。私は「Disruption」という概念は、常識、慣習、固定概念にとらわれずに、”問い“を立てて新しいチャレンジを行うことだと捉えています。

Q. 今井さんの出身である博報堂からTBWA\HAKUHODOに持ち込んだ大切な考え方はありますか?

イメージ:https://www.hakuhodo.co.jp/about/dna/philosophy/

イメージ:https://www.hakuhodo.co.jp/about/dna/philosophy/

博報堂からTBWA\HAKUHODOに持ち込んだ大切な考え方でいうと、博報堂のフィロソフィーである「生活者発想」や「パートナー主義」で、それらはTBWA\HAKUHODOの土台になっていると考えています。博報堂の「生活者発想」や「パートナー主義」を土台に、TBWA の「Disruption」が柱になって、TBWAと博報堂、両方の良いどころ取りでサービスを提供できていると思っています。博報堂のフィロソフィーが土台をして存在しているからこそ、柱となる「Disruption」の概念がより強化なものになっている感覚があります。

Q.それが体現できている事例を一つご紹介頂けますか?

AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

TBWA\HAKUHODOでは「Disruption Award」という社内表彰式を毎年行っておりますが、そのアワードではクライアント案件だけではなく、バックオフィス部門からのプロジェクトも度々受賞しています。例えばTBWA\HAKUHODO独自で清算システムを開発し、自社だけではなくグループ会社にも導入された事例が受賞したことがあります。バックオフィスでも収益化を進めるなど、いままではあまり考えられなかったことにも挑戦していくTBWA\HAKUHODOらしい事例だったと考えています。クライアント案件でも、生活者が本当に欲しいものは何か、生活者にとって良いことは何かを考えて、生活者中心の発想をアップデート・進化させています。

“クライアントに信じてもらえる提案”にこだわる

Q.設立前から携わる今井さんから見て、この15年間でTBWA\HAKUHODOの変わっていないところ、変わったところを教えてください。

先ほどお話した、博報堂の「生活者発想&パートナー主義」が土台となり、「Disruption」が柱になっていることは、設立時から”ぶれていない”と考えています。ただ、時代に合わせて”進化”していると思っています。一方で、この15年で変わったものをあげるとしたら、クライアントのラインナップ、ポートフォリオはより多様なものになっていると感じます。TBWAと博報堂グループとのネットワークが拡大し、会社としての価値が高まり、存在感が増すことによって変わってきている部分があると思います。また、コロナ禍でもクライアントに対して積極的にアプローチし、一緒にお仕事させていただくことになったことで、2021年のビジネスの成果にもつながってきたと考えています。

Q. コロナ禍で、今井さんがCEOとして特に心かけたことはありますか?

社内で「Disruption X」の概念を説明する今井さん

社内で「Disruption X」の概念を説明する今井さん

コロナ禍で、TBWA\HAKUHODOが抱えるクライアントの幅を広げていった時に心がけていたことは、「勝つための提案より、クライアントに信じてもらえる提案」です。それに加えて、クライアントからいただいたご要望に+αでTBWA\HAKUHODOならではの「Disruption」の概念も入れた提案も心掛けたことで、実際のところ勝率は高くなりました。
近年、TBWA\HAKUHODOでは”コミュニケーションのパートナー”だけではなく、”ビジネスのパートナー”になることを目指す「Disruption X」という概念を掲げています。そのため、広告のような「クリエイティブ」だけではなく、商品・サービス・体験など「クリエイティビティ」も併せて提案することで、クライアントのパーパスなど、ビジネス成長への貢献も意識しています。もちろん、ビジネスの貢献だけではなく、その先にいる生活者のためになる、本当に役に立つ提案を目指しています。

“好奇心旺盛で、失敗を恐れず様々なことに挑戦したい人”がより活躍できる環境づくりを

Q. そんなカルチャーを持つTBWA\HAKUHODOではどのような人が活躍していますか?

TBWA\HAKUHODOでは、好奇心旺盛で、失敗を恐れず様々なことに挑戦する、周りを巻き込んでオープンに議論を起こしている人たちが活躍しています。会社としても、「Diversity」「Curiosity」「Courage」な人々をValue(価値)として掲げ、大切にしています。TBWA\HAKUHODOには、様々なバックグラウンドや想いを持ったメンバーがいるため、お互いを認め合うダイバーシティインクルージョンの風土も大切にしていて、これからも根付かせていきたいと考えています。

AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

TBWA\HAKUHODOには、「Peace Pirates」というダイバーシティ推進活動を行っている有志グループがありますが、「Peace Pirates」は、TBWA HAKUHODOのValue(価値)を象徴しているようなチームであると思っています。(※「Peace Pirates紹介 STORIES記事はこちら」)社内の活動だけにとどまらず、得意先との協業にも発展していて、このような活動には会社としても積極的に支援を行っていきたいと考えています。

「広告会社」という枠にとらわれない

Q.最後に、「Disruption」の概念をもとに、今後TBWA\HAKUHODOはどのように進化し、どのような未来を作っていきたいか、お考えを教えてください。

AOY受賞者インタビュー:CEO 今井明彦

我々は、これからも「Disruption company」であり続けますが、土台となる「生活者発想」と「パートナー主義」も進化し、柱となる「Disruption」は「Disruption X」へとアップデートさせていく中で、
「クリエイティブ」だけではなく、「クリエイティビティ」を発揮し、ブランドの顧客体験を変えていくことで、人の心を動かし、市場を動かすだけでなく、生活者にとって少しでも社会をよりよいものにしていきたいです。
TBWA\HAKUHODOは、ブランドと共に、「この社会に、意味ある変化をつくりだす」ことができる存在になっていきたいと考えています。

==
今後もSTORIESではいろんなTBWA\HAKUHODOメンバーを紹介していきます。次回をお楽しみに!

広報チーム (koho@tbwahakuhodo.co.jp)